僕が教える理由

僕は学習に関して、指導に関して、強い信念を持っている。

それは、耳触りのよい言葉ではあるが、

「努力は必ず報われる」というものだ。

「努力は必ず報われる」といったとき、ここには因果応報の対応関係がある。すなわち、1の努力には1の結果が、10の努力には10の結果が返ってくるものなのである。

僕の信念の出自は、成人する前の15-18歳、高校時代から浪人当初の時期にある。

僕は高校時代、どうしても数学が苦手で、入学おめでとうテストでは10点を叩き出し(100点満点です。念のため)、クラスではビリ2という名誉を頂いてしまった。

その後成績が上がることはなく、当時の数学の先生にこう尋ねた。

「水野先生、数学ができなさすぎるのですがどうしたらよいのでしょうか?」

「赤チャートをやればいいんだよ」

赤チャートとは、数研出版の発行するチャート式シリーズの数学参考書で、ラインナップ中、最もレベルの高い教材である。

なるほど、東大受験生御用達の教材だ。僕は早速赤チャートを購入し日々の学習を継続した。

しかし。

成績が上がることはなかった。

3年間赤点魔人として君臨することとなってしまったのだ。

赤チャートは難しすぎて解答が何を言ってるのかさっぱりわからなかった。仕方がないので問題文と解答を隠し、丸暗記するという暴挙に出た。結果成績は上がらず数学はわからないままだった。

至極当然、数学を使う大学には落ち、浪人した。

受験に落ちた後、自らの学習を振り返った。

冷静に自分の数学との関わりを考えてみたが、

思えば小学校から算数は苦手で、中学の図形なんて何一つ覚えていなかった。

そうか、僕は小学校からつまずいていたんだな。

ライオンが表紙に書かれた小学生向け計算ドリルをその日から始めた。小学校の学習が終われば、次は中1からだ。中学を卒業したら高校段階。もちろん赤チャートは封印し、教科書の問題を丁寧に解いた。

そうやって3ヶ月が過ぎた。

5月の模試は河合マーク。数学は、1A2Bともに満点で全国1位となった。

僕はこのとき確信した。

努力は報われる、の言葉は信じることができないくらい失意にあったのだが、

僕はようやくわかったのだ。正しい言葉は、

「正しい努力は報われる」

なのである。

僕が成果を手にできたのは、何も量を増やして気合いでクリアしたわけではない。量はそのままに、その学習時間を最も有効に使えるような正しい方法で努力を注ぎ込んだ。

そのときから僕の中に信念が生まれたのだった。

こうした信念は僕の学習にも、生徒の指導にも当然反映されている。

僕に指導を求める生徒の多くは、頑張ってやってるのに成績が上がらない人がほとんどだ。ああ、それは過去の僕だ。量を増やしても成果が出せないと、思うような成果が出ないことを自分の才能に帰属するんだよな。そりゃ勉強もやめちゃうよ。

こうして僕は、学習法に並々ならぬ関心を持つようになった。正しい方法で学習さえすれば、かけた努力を100%成果に変えられる。そう信じて止まなくなったのだ。

僕が生徒に指導するときにできることは、

正しい努力は報われる、ということだけだ。

そしてそれは、自分自身の辛い経験から引き出されたものであり、生徒の気持ちは痛いほどわかる。

多くの場合卒業まで面倒を見ることが多いのだけれど、大学の合格はもちろんとして、正しい努力は報われるのだ、という信念をも獲得し、次のステージに進んで欲しい。その信念がこの先君を動かすエンジンになると僕は確信している。

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