数学学習のStep3

階段を昇る~数学学習のStep3~
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1 中学校段階のつまずきを解消する。
2 理解を促す教材(授業も含む)を利用しながら教科書レベルの例題を潰す。
3 教科書レベルの類題を解き基本問題に対する反応速度を上げる。
4 教科書の発展問題を理解し、記憶する。
5 適切なレベルの総合問題集で入試典型問題を押さえる。
6 類題で演習量を増やし、反応速度を上げる。
7 Step5の穴を埋めつつ、傾向対策へ。
Step3 教科書レベルの類題を解き、基本問題に対する反応速度を上げる。

■ この段階の目的
Step2までの学習で、教科書掲載の基本的な知識のインプットは終了しました。
ここで問題となるのは、次にどのような学習を行うか、です。
次に行うべき学習として、多くの受験生が取り上げるのが「入試問題の学習」、「発展問題の学習」でしょう。しかし、僕の指導ではこのような流れを取りません。
次に行うべき学習は、今までのレベルの問題を利用した計算練習です。
インプット中心の学習は「わかる」をある程度担保しますが、「できる」までは保証しません。解法が「わかった」としても、それを解答として表現できる力がなければ「できた」、つまり点数を得たことにはならないのです。解答として表現できる力こそが計算能力であり、それは計算を実際に行った人にしかできないのです。この点を度外視している受験生は非常に多い。
■ 計算能力の重要性
計算能力は、コミュニケーションの力に喩えると、その本質が見えてきます。
ここでいうコミュニケーション能力とは、自らの考えを適切に言葉にして相手に伝わる形で表現できる力であると定義します。一般的な意味よりも発信する力に力点をおいています。
これを受験数学における計算能力と比べてみましょう。
すると、計算能力とは、問題文を読み浮かんだ解法を、数式・図・文章の形で、採点者に伝わる形で試験時間内に表現する力である、と言えるでしょう。計算能力は、この「相手に伝わる形で試験時間内に表現する」部分に大きく関わる力です。
計算能力の重要性について考えるためには、計算能力がない状態を考えてみることが有益でしょう。
まず、計算能力がなければ、解法がわかっているのに正しそうな答にならない!という大変悔しい想いをすることになるでしょう。多くの受験生がこういった悔しさを経験したことがあると思います。確率の解答なのに、1を超えている、とか。2桁をマークするのに3桁になってしまったとか。「解法がわからなくて0点」の人と、「解法がわかっても0点」の人は、結果がすべての試験では同じ評価を下されてしまいます。
手が動くのに、適切な解答に辿りつけない。こうした状況に対処する力はおそらく計算の力でしょう。
次に、計算に慣れていないと、大いに時間がかかる、ということです。
計算のスピードは訓練によってかなり速くすることができます。訓練されたスピードで解くことができれば、時間が足りなくてできなかった!という悩みの解決にかなりの程度貢献するでしょう。
ここで、計算の力について述べられた一節を紹介しましょう。『本質の解法 数学Ⅰ・A』では計算について次のように述べられています。

数学の基礎には計算がある。計算ということばは機械的に聞こえるが、計算が機械的な処理にすぎないと理解するまでには、それなりの修行が必要である。厳しい修行を経た職人だけが洗練された勘と技とをもつように、数学でも、数学の感性を体で覚えた人だけが先へ進むことができる。
安光秀生『本質の解法 数学Ⅰ・A』(旺文社、2003、9頁)

ここで述べられているように、次のStepに進むためには、「数学の感性を体で覚え」る必要があります。特に、時間制限のある受験数学においては基礎的な問題については「体で覚え」ておく必要性は言うまでもないでしょう。
以上の議論から、「わかった」をもって、上のレベルの問題に進むのではなく、「わかった」問題を体で覚え、「できた」という段階に引き上げてから、より上級の問題に取り組むことが肝要であることがお分かり頂けたかと思います。
■ 推薦教材
上田惇巳他『カルキュール数学I・A―基礎力・計算力アップ問題集
上田惇巳他『カルキュール数学Ⅱ・B―基礎力・計算力アップ問題集
■ 推薦教材についての注意
現状、一般に入手できる教材としてはこれが最も優れていると思われます。
教科書傍用問題集では、『4STEP』、『サクシード』、『テーマ』などが利用できます。特に、4STEPはオススメです。教科書配給所でしか入手できませんが、問題レベル・数ともに大変優れています。
※Amazonマーケットプレイスにいくつか在庫があるようです。リンクを貼っておきました。
最初からここまで昇ってきた人は、入手が容易く解説の丁寧な『カルキュール数学』を利用することをお勧めします。
■ 学習方法
原則として、前から順に解いていきます。
今回の目標を踏まえ、「止まらずにスラスラ解ける」という状態を目指します。
注意して欲しいことは、学習方法は目的によって決定される、という単純な事実です。
上記のような目的を踏まえれば、自ずと学習方法は見えてくるでしょう。
※4STEPを利用する場合はB問題を飛ばして学習します。
■ 次のStepへ
手を止めずにすべての問題が解けるようになったならばStep4へ。

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